【骨粗しょう症外来】
骨粗しょう症は骨の「病的老化」であり、骨折は骨がもろくなるために起こる合併症で予防と治療が必要です。骨粗しょう症の予防に大切なことは、まず骨量を十分に増加させることですが、女性においては閉経後に急速に骨量が減少するので、閉経後女性の骨量減少者を早期にスクリーニングして骨量のさらなる減少をくい止めることが必要です。さらに骨量がすでに著しく低下している高齢者においては骨量の維持とともに店頭の予防が重要です。
一般人での40歳以上の骨粗しょう症の有病率は腰椎(L2-4)で男性3.4%、女性19.2%、大腿骨頸部の場合、男性12.4%、女性26.5%と報告されています。これは骨粗しょう症の患者数は腰椎で推計640万人(男性80万人、女性560万人)、大腿骨頸部で約1070万人(男性260万人、女性810万人)と推計されます。
椎体骨折および大腿骨頸部骨折は70歳を超えると急速に増える傾向にあります。椎体骨折は60歳代では男性5.1%、女性14%に対し、70歳代の男性10.8%、女性22.2%でありました。
(ロコモティブシンドロームの予防)
ロコモティブシンドロームとは「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態」とされ、進行すると要介護度になるリスクが高くなります。ロコモの予防のためには①運動習慣の獲得、②適切な栄養摂取、③運動器疾患に対する適切な治療が転倒や認知症の予防のために重要です。骨粗しょう症による骨折があるとロコモを悪化させることなるので、50歳を超えたら骨密度の定期的な評価が重要になるのです。
(検査)
骨粗しょう症は、骨リモデリング(骨吸収)の亢進によって骨密度の低下やもろさを引き起こします。その原因としてビタミンDやビタミンKの不足による骨基質タンパクの変化が知られています。骨関連マーカーの血液検査や骨密度の測定(DXA法)によって、きめ細やかな骨折リスクの評価ができます。
・血液検査(骨関連マーカー):3か月~1年おきに測定します。
アルブミン・カルシウム・無機リン・血算・TRACP-5B、Ⅰ型プロコラーゲンNプロペプチド、25-OHビタミンD
・DXA法(dual-energy X-ray absorptiometry)による骨密度測定:4か月~1年おきに測定します。
腰椎DXA(L1~L4またはL2~L4)
大腿骨近位部DXA(頸部、転子部、骨幹部の3領域)
(出典)日本骨粗鬆症学会:予防と治療ガイドライン2015年度版
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