女性の漢方療法（PMS）

PMS（月経前症候群）の概要

PMSとは、月経予定日の3～10日前からイライラ、頭痛、むくみ、胸の張り、眠気、気分の落ち込み、便秘などの症状が現れ、月経が始まると軽くなる症状のことを指します。多くの女性が何らかの形で経験し、主に女性ホルモンの急激な変動が原因と考えられています。

対処法

日常の対処法

• 症状日記をつける：どのような症状がどれくらい続いたかを記録することで、医療機関での診断に役立ちます。
• 生活習慣の見直し：栄養バランスの良い食事をとり、生活サイクルを整えましょう。
• リラックス方法を見つける：ストレス軽減のためにリラックスできる方法を探すことも重要です。
• 適度な運動：運動習慣を取り入れることで、症状の改善が期待できます。

薬物による治療法

• ホルモン治療：低用量ピル（OC）や低用量エストロゲン・プロゲステロン配合薬（LEP）でホルモンの変動を抑えます。
• メンタルケア薬：精神的な症状が強い場合、抗不安薬や選択的セロトニン再取り込み阻害薬（SSRI）を使用します。
• 症状別の対処療法：
  • 頭痛や腹痛には鎮痛薬
  • 不眠には睡眠導入薬

漢方薬の考え方

PMSにおける漢方のアプローチでは、以下の要因に基づいて処方が行われます：

• 気の異常（気滞）：イライラ、不安、気分の浮き沈み
• 水の異常（水毒）：むくみ、頭痛、冷えなど
• 血の異常（お血、血虚）：肩こり、便秘、腹痛、のぼせなど

主な漢方処方例

• 柴胡桂枝乾姜湯
• 桂枝茯苓丸
• 加味逍遙散
• 温清湯
• 女神散