以下の症状がある場合は当院にご相談ください。乳がんの症状はひとそれぞれです。まずは迷わずに乳房のほか、わきの下に違和感を感じた場合も悩まずご相談ください。
- 乳房にしこりや違和感がある場合のポイント
・乳がんの症状は多くの場合、痛みのないかたい「しこり」として自覚されます
・早期乳がんは検診で発見されますが、触知できないこともあります
・乳がんが皮膚近くにあると、皮膚が陥没する「えくぼ症状」が現れることがあります
・データによると、約半数の乳がん患者は無症状で発見されています
・その他の症状として、脇の鈍痛や乳房の違和感として発見されることがあります
・画像検査や針生検による病理診断で乳がんと診断されます。乳がん以外にも良性腫瘍(線維腺腫、葉状腫瘍、のう胞)であることもあります
- 乳房の痛みや腫れがある場合のポイント
症状の概要: 乳腺クリニックに受診される方で最も多い症状は、乳房の痛みや腫れです。
考えられる疾患:
- 乳腺症: ホルモンバランスの乱れによる乳房の痛み。検査で異常がない場合の除外診断です。
- 乳腺炎: 乳腺に起こる炎症。30-40代の女性に多く、発赤、腫脹、熱感、痛み、高熱が出ることがあります。
- 非細菌性乳腺炎: 授乳期に見られる乳管の通過障害による乳汁のうっ滞が原因。搾乳や乳房マッサージでの治療が基本ですが、悪化する場合は外科的に排膿が必要です。
- 炎症性乳がん:乳房全体が赤く腫れあがることがあります。乳がん細胞が乳房全体のリンパ管内に侵入してうっ滞を起こすことが原因です。
乳がんの可能性: 症状の調査で乳がんが潜んでいる場合があり、必要に応じて針検査などの病理診断が行われます。
その他の感染リスク: 乳頭陥没やアトピー性皮膚炎がある方は、授乳期でなくても化膿性乳腺炎や乳房膿瘍を引き起こしやすいため、相談が推奨されます。
*私の経験では、もともと乳頭陥没やアトピー性皮膚炎を持っている方、タバコを吸う方、糖尿病の方、肥満傾向にある方は乳房に細菌感染を起こしやすく、授乳期でなくても化膿性乳腺炎や乳房膿瘍を引き起こすことがありますのでご相談ください。
乳頭からの分泌物や出血がある場合のポイント
- 一般的な症状: 乳房はお乳を作る腺組織であり、年齢に関係なく乳頭から分泌物(乳汁)が出ることがあります。乳汁は透明~黄色であることが多いです。しかし乳汁が茶褐色から赤色の場合は注意が必要です。
- 茶褐色や赤色の分泌物: これらの分泌物が出る場合、乳がんの可能性が高く、検査が必要です。
- 良性疾患の可能性: 乳管内乳頭腫などの良性疾患も考えられます。
乳頭のただれやわきの下の違和感がある場合のポイント
- 乳頭のただれ: 下着のこすれによって起こることもありますが、初期の乳がんやパジェット病の可能性もあります。
- わきの下の違和感: リンパ管のうっ滞が原因で、乳がんが発見されることがあります。
- 相談を推奨:乳房のリンパ管がうっ滞することでわきの下の違和感として感じて、乳がんが発見される場合もありますので、ひとりで悩まずに相談してください。
男性の乳房のしこりのポイント
- 腺組織の存在: 男性の乳房にもお乳をつくる腺組織があります。
- 男性乳がん: 高齢者に多く発症し、女性の約0.05-0.1%の発症率です。一方で10代から20代前半の若い男性にもみられ、成長痛と思われます。
- 女性化乳房症: 年齢に関わらず、乳頭が腫れ、痛みを伴うことがあります。原因は男性ホルモンの過剰です。
- 発症リスク:
- たばこを吸っている
- サプリメントを服用している
- 高血圧や脂質異常症の治療薬、抗不安薬などを内服している
- 診断方法: 鑑別は難しく、針生検で病理診断を行うこともあります。
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