私は、乳腺外科を専門とする外科医で、現在都内の病院にて乳腺外科診療科長を務めております。乳がん診療に携わって24年、数多くの患者さんと向き合ってきました。
このたび、私はある「伝統生薬」に心を動かされ、一冊の本を出版したいと強く願うようになりました。
それは、中国でがん治療の補助療法として注目されている「槐耳(カイジ)」(Huaier:フアイア)です。
カイジは、エンジュの木に寄生するカワラタケの一種で、古くから健康維持のために使われてきた伝統薬です。近年、科学的な研究が進み、抗がん作用や免疫活性化、腸内環境の改善、血管新生の抑制など、多面的な作用が明らかになってきました。
特に注目すべきは、肝細胞がんの大規模な臨床試験で、カイジによる生存率が有意に改善したという研究成果です。この研究は、欧州の一流医学誌「GUT」に掲載され、当初は懐疑的だった欧米の専門家が、現地視察を経てその信頼性を認めたという異例の経緯があります。さらに、世界保健機関(WHO)の伝統医療専門ページでも、がん領域で最もエビデンスのある生薬の一つとして紹介されています。
私は、この槐耳(カイジ)を乳がん治療に取り入れ、一定の手応えを感じております。特に、化学療法の妨げにならず、むしろ副作用軽減や免疫回復、さらにはがん細胞そのものへのアポトーシス誘導など、多くの患者さんの助けになる可能性を秘めています。
現在、日本ではこのような生薬の効果が十分に知られていません。医師としての立場だけでは限界を感じ、私はこのたび東京で独立開業し、「がん治療の新しい可能性」を直接患者さんに届けたいと考えました。そして同時に、医師・患者・一般の方々に向けて、この生薬の可能性をエビデンスとともに紹介する書籍を世に出したいと考えております。
これまで先進的で真摯な医療・健康書籍には、私自身も大きな影響を受けました。エビデンスに裏打ちされた東洋医学と西洋医学の架け橋として、今まさにこのテーマが求められていると感じています。
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