乳がんの治療を終えた後も、再発予防のためには日々の生活習慣がとても重要です。ここでは、特に再発リスクを下げるために注目されている「食生活」「運動」「薬」について、最新の知見を交えてわかりやすく解説します。
1.食生活について
乳がんの再発予防には、バランスの取れた食事が基本です。以下のようなポイントを意識することが推奨されています。
- 植物性中心の食事を心がける
野菜、果物、豆類、全粒穀物などの植物性食品には、抗酸化作用や抗炎症作用のある栄養素が豊富に含まれています。特にブロッコリーやケールなどのアブラナ科野菜には、再発リスク低下に関与する成分があるとされています。 - 加工食品・高脂肪食品を控える
加工肉や高脂肪な乳製品、揚げ物などは、体内の炎症を引き起こしやすく、再発のリスクを高める可能性があります。脂質は良質なもの(オリーブオイルやナッツ、魚の脂など)を選びましょう。 - アルコールは控えめに
アルコール摂取は乳がんの再発リスクを高めるとされています。まったく飲まないか、どうしても飲む場合は1日1杯以下に留めることが望ましいです。 - 体重管理も大切
食生活を整えることで、適正体重の維持にもつながります。肥満は乳がん再発のリスク因子とされているため、無理のない方法で体重コントロールを行いましょう。
2.運動について
運動は再発予防だけでなく、気分の安定や生活の質の向上にも大きく関係しています。
- 週に合計150分の中強度運動
ウォーキングや軽いジョギング、水中エクササイズなど、**中程度の有酸素運動を週150分(例:1日30分、週5回)**を目安に行うと良いとされています。 - 筋力トレーニングも効果的
筋肉量を維持することで代謝が上がり、ホルモンバランスの安定にも寄与します。週に2回程度、スクワットや腕立て伏せなどの自重トレーニングを取り入れてみましょう。 - 無理せず楽しむことが継続のコツ
体調と相談しながら、ヨガやストレッチなどリラックス効果のある運動も取り入れると、心のケアにもなります。
3.薬について
乳がんの再発予防には、医師から処方される薬を指示通りに服用し続けることが非常に大切です。
- ホルモン療法(内分泌療法)
ホルモン受容体陽性の乳がんに対しては、タモキシフェンやアロマターゼ阻害薬などが処方されます。これらの薬は、5〜10年にわたる長期服用が推奨されており、途中でやめてしまうと再発リスクが上がる可能性があります。 - 副作用の管理
薬によっては関節痛やほてり、気分の落ち込みなどの副作用があることもあります。我慢せずに医師に相談し、必要に応じて薬の変更や対処法を探っていきましょう。 - 服薬習慣を維持する工夫
飲み忘れを防ぐために、アラームやピルケースを活用したり、家族のサポートを受けたりといった工夫も有効です。
乳がんの再発予防は、日々の積み重ねが鍵になります。「完璧」を目指さず、自分に合ったやり方で少しずつ取り組んでいきましょう。
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