マンモグラフィ
マンモグラフィは白と黒のコントラストの写真です。白色は乳腺組織、黒色は脂肪組織に写ります。年を重ねる、または授乳歴が長いと乳腺組織は徐々に退縮して脂肪組織に置き換わるため、だんだん脂肪性乳腺に変わっていきます。したがって、より若年女性は高濃度乳腺に、年を重ねるほど脂肪性乳腺が増えてきます(図)。しかし実際には個人差が大きく、高濃度乳腺の高齢者も多く、逆に若年女性でも脂肪性乳腺の人がいますので、まずはマンモグラフィを1回撮像してベースライン評価しないといけません。腫瘍は白く映るため、脂肪性乳腺のときは発見率が上がり、高濃度乳腺ほど発見率は落ちることが知られています。図のように不均一高濃度*高濃度乳腺と診断された方は超音波検査を追加することをお勧めします。

超音波検査
皮膚の上からプローブを当てて超音波を送受信する侵襲のない検査方法です。乳腺組織は白く、腫瘍は黒く抜けてみえます。前述のようにマンモグラフィでは高濃度乳腺では腫瘍が見えにくくなるため、マンモグラフィで見えない腫瘍を見つけることができます。

【マンモグラフィと超音波検査の相違点】
マンモグラフィはレントゲンの一つです。乳房を圧迫してX線写真を撮影します。マンモグラフィ検診は50歳以上の女性の乳がん死亡率を下げることを証明されており、精度管理が確立しているため、画像の保存性、比較性に優れています。一方、濃度の高い乳腺では乳がんの検出能は低下します。超音波検査は侵襲が少なく痛みも感じないため、妊娠中でも検査が可能で、濃度の高い乳腺でも検出能は落ちません。一方で精度管理が確立されておらず、現状では有効性を示す根拠は確立していません。しかし、マンモグラフィと超音波検査の併用でより早期乳がんを発見する感度が高まることは証明されています。また、高濃度乳腺やマンモグラフィが苦手な人のための代替の手段として選ばれています。以下にそれぞれの利点・欠点をまとめます。

コメントを残す